「えっ、あずみに続きがあったの?」 「幕末編があるらしいけど、戦国時代のあずみはどうなったの?」
小山ゆう先生の傑作時代劇『あずみ』。冷徹な刺客として育てられながらも、人間としての感情に揺れ動く少女の姿に涙した方は多いはずです。 実は、その伝説には続きがあります。
それが『AZUMI-あずみ-』(幕末編)です。
しかし、この作品、単なる「第2部」ではありません。舞台は戦国から幕末へ。そして登場するのは…あの『お〜い!竜馬』の英雄たち!?
今回は、前作ファンなら絶対に読んでおくべき、しかし意外と知られていない幕末編『AZUMI』の魅力と、前作との決定的な違いについて徹底解説します。
前作の続編?『AZUMI(幕末編)』はパラレルワールドの物語
まず最初に、読者の皆さんが抱く最大の疑問を解消しましょう。「このあずみは、前のあずみと同一人物なのか?」という点です。
結論から言うと、別人です。
戦国編あずみとは「別人」!時代背景と設定の根本的な違い
前作『あずみ』は、関ヶ原の戦い直後の「江戸時代初期」が舞台でした。対して本作『AZUMI』の舞台は、黒船来航に揺れる「幕末」です。
時代にして約250年の開きがあります。つまり、コールドスリープでもしていない限り、前作のあずみが生きて登場することはありません。
本作の主人公・あずみは、前作のあずみと瓜二つの容姿を持ち、同じく「最強の刺客」としての宿命を背負っていますが、生まれも育ちも異なります。
しかし、読み進めるうちに、私たちはこう感じるはずです。
「ああ、やっぱりこの子は『あずみ』だ」と。
時代が変わっても、権力者の理不尽な命令によって人を斬らなければならない悲哀、その中で見せる凛とした強さは、私たちが愛したあずみそのものなのです。
作者・小山ゆうが語る「2人のあずみ」の関係性
作者である小山ゆう先生自身も、本作について興味深い言及をされています。
「前作は『第1部・完』として終了しているが、本作品はその『第2部』なわけではなく、パラレルワールドの物語」 「2人のあずみは切り離して考えている」
つまり、本作は「続き」として時系列を追うものではなく、「もしも幕末という激動の時代に、あずみという最強の刺客が存在したら?」というIF(もしも)の世界を描いた再構築作品と言えます。
だからこそ、前作の悲しいラストを引きずる必要はありません。新しい気持ちで、もう一度あずみの活躍を楽しめるのが本作の大きな特徴です。
【比較表】戦国編と幕末編、何が変わった?
設定の違いを一目でわかるように表にまとめました。
| 特徴 | 前作『あずみ』 | 今作『AZUMI(幕末編)』 |
| 舞台 | 江戸時代初期(戦国遺風) | 幕末・明治維新 |
| 主人公 | 孤児のあずみ(爺に育てられる) | 豪商に雇われたあずみ(兄がいる) |
| あずみの使命 | 平和のために芽を摘む(暗殺) | 幕府を守るための暗殺 |
| 主な敵 | 野心を持つ大名、忍者 | 尊王攘夷派の志士、新選組 |
| 登場する偉人 | 徳川家康、加藤清正など | 坂本龍馬、高杉晋作、勝海舟 |
こうして見ると、敵対する勢力が「倒幕派(維新志士)」である点が非常にスリリングです。つまり、あずみは「時代の改革者たち」を斬る側として物語に関わっていくのです。
歴史ファン歓喜!『お〜い!竜馬』とのクロスオーバーが熱すぎる

本作『AZUMI』を語る上で絶対に外せないのが、小山ゆう先生の過去の名作『お〜い!竜馬』との密接な関係です。
坂本龍馬、高杉晋作、勝海舟…デザインそのままに偉人が登場
ページをめくって驚愕するのが、登場する幕末の偉人たちのデザインです。 なんと、『お〜い!竜馬』で描かれた坂本龍馬、高杉晋作、勝海舟らが、当時のキャラクターデザインそのままに登場します。
まるで同窓会のような豪華さですが、あずみの立場は彼らの命を狙う刺客、あるいは彼らの生き様に翻弄される少女です。
- 豪快で人たらしな・坂本龍馬
- 狂気をはらんだ天才・高杉晋作
- 江戸無血開城の立役者・勝海舟
彼らが「最強の少女・あずみ」と出会ったとき、歴史の歯車はどう動くのか? 『お〜い!竜馬』ファンにとっては、実質的なスピンオフとして楽しめるほどの贅沢な内容になっています。
史実と創作の絶妙なバランス。矛盾しない歴史解釈とは?
『お〜い!竜馬』は武田鉄矢氏が原作でしたが、本作『AZUMI』は小山ゆう先生の単独オリジナル作品です。 しかし、小山先生はNHKの番組『MAG・ネット』内で「『お〜い!竜馬』で描いたことと矛盾しない方向で話を進めている」と語っています。
つまり、 「あの熱い竜馬の物語の裏で、実はあずみが暗躍していたとしたら…?」 という、極上の歴史ミステリーとしても楽しめるのです。
もちろん、史実を大きく歪めることはありません。あくまで歴史の「隙間」を縫うように、あずみの刃が閃きます。知っている歴史だからこそ、「ここでそう来るか!」という驚きが待っています。
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歴史の教科書には載っていない、もう一つの幕末史。 『お〜い!竜馬』のデザインそのままで
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物語の魅力:双子の兄・駿介と共に描く「幕末の動乱」

前作『あずみ』と本作の最大の違い。それはあずみに「肉親(双子の兄)」がいるという点です。 この設定が、孤独だったあずみの物語に新しいドラマを生み出しています。
今度のあずみは一人じゃない。兄・駿介の存在意義
前作のあずみは、仲間を自らの手で殺めるという過酷な運命から始まり、常に孤独と隣り合わせでした。 しかし、幕末編のあずみには、向駿介(むかい しゅんすけ)という双子の兄がいます。
駿介は、幕臣でありながら剣の腕はからっきし。気弱で争いごとは苦手な、いわゆる「昼行灯(ひるあんどん)」です。 一方で、妹のあずみは、誰よりも強く、冷酷な刺客。
- 表の社会で生きるが、無力な兄
- 闇の社会で生きるが、最強の妹
この対照的な二人が、互いを思いやりながら激動の時代を生き抜こうとする姿は、涙なしには読めません。 特に、平和主義者の駿介が、妹を守るために少しずつ変わっていく様子は、本作の裏のメインテーマとも言えるでしょう。
豪商・三井の刺客として…階級社会の理不尽さを斬る
本作のあずみは、幕府や大名ではなく、豪商・三井に雇われています。 ここが非常に「幕末らしい」
ポイントです。
武士の威光が陰りを見せ、経済力を持つ商人が台頭し始めた時代。あずみは「金」と「組織」の論理で動かされる道具として扱われます。 『お〜い!竜馬』でも描かれた「身分制度の理不尽さ」や「貧困」といったテーマは健在です。
理不尽な権力者に対し、言葉ではなく「剣」で答えを出すあずみの姿。それは現代社会に疲れた私たちの心に、痛快なカタルシスを与えてくれます。
\兄妹の運命に涙する読者が続出/
「兄ちゃんは私が守る」 その健気な決意が、幕末の歴史に翻弄されていく…。 ハンカチ必須の
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※兄・駿介のキャラクターも愛嬌があって最高です!
変わらぬ「小山イズム」!キレのあるアクションと深いヒューマニズム

小山ゆう作品と言えば、静と動が同居した独特のアクション描写です。 幕末編になっても、その冴え渡る筆致は衰えるどころか、より洗練されています。
スピード感あふれる「チャンバラ」描写は健在
あずみの戦闘シーンは、まさに「瞬殺」。 小山ゆう先生が描く殺陣は、余計な書き文字(擬音)が少なく、流れるような描線とコマ割りだけでスピード感を表現しています。
マントを翻し、二刀流で敵を切り伏せるあずみの姿は美しく、そして残酷です。 特に、銃や大砲といった近代兵器が登場し始める幕末において、あえて「刀」一本で立ち向かう姿には、滅びゆく武士道への哀愁すら感じさせます。
忍者・刺客・志士…それぞれの「正義」がぶつかり合う
前作では「平和のために(戦争の芽を摘むために)」戦ったあずみですが、今回はより複雑です。 あずみが守ろうとするのは「旧体制(幕府側)の秩序」。しかし、敵対する志士たちは「新しい日本」を作ろうとしています。
どちらが正義で、どちらが悪か。
単純な勧善懲悪では割り切れない中で、それでも生きるために剣を振るう。その葛藤があるからこそ、『AZUMI』は単なるアクション漫画の枠を超えた「大人のエンターテイメント」になり得て
いるのです。
\電子書籍なら高画質でアクションを堪能!/
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完結済みだからこそ!『AZUMI』を今、電子書籍で読むべき理由

最後に、なぜ「今」、この作品を読むべきなのかをお伝えします。
全18巻を一気読みできる没入感
『AZUMI』は、全18巻ですでに完結しています。 連載中の作品のように「続きが気になって眠れない!」という生殺し状態になることはありません。
週末や連休を使って、幕末の動乱を一気に駆け抜けることができる。これは完結済み作品ならではの特権です。物語の結末まで、ノンストップで没入してください。
スマホやタブレットでいつでも「あずみ」に会える
全18巻を紙で揃えると場所を取りますが、電子書籍ならスマホ一つで収まります。 通勤電車の中で、寝る前のベッドの中で。 あずみの活躍は、退屈な日常を忘れさせてくれる最高のアドベンチャーになるはずです。
まとめ:あずみと竜馬が織りなす「もう一つの幕末」を目撃せよ
ここまで『AZUMI-あずみ-』(幕末編)の魅力をご紹介してきました。
- 前作とは別人のあずみが活躍するパラレルワールド
- 『お〜い!竜馬』の偉人たちが登場する夢のクロスオーバー
- 双子の兄・駿介との絆が泣ける人間ドラマ
「前作が好きすぎて、続編を読むのが怖い」 そう思っていた方にこそ、声を大にして伝えたいです。 この『AZUMI』は、前作の思い出を決して裏切りません。
むしろ、違う時代、違う設定だからこそ見えてくる「あずみというキャラクターの普遍的な強さと美しさ」に、改めて惚れ直すことでしょう。
激動の幕末、あずみは誰を斬り、誰を愛し、どう生きたのか。 その結末は、ぜひあなたの目で確かめてください。
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