もしも今、最新鋭のシステムと圧倒的な武力を備えた自衛隊のイージス艦が、太平洋戦争の真っただ中に放り込まれたらどうなるか?
「圧倒的な未来の兵器があれば、戦争なんて簡単に止められるだろう」
「日本は負けずに済むのではないか」
読み始める前、誰もが一度はそんな空想を抱くかもしれません。 しかし、巨匠・かわぐちかいじ先生が描く傑作『ジパング』は、そんな安易なカタルシスを許しません。
そこにあるのは、無双する爽快感ではなく、「知ってはいけない未来」を持ってしまった人間たちの、血を吐くような苦悩です。
連載終了から時が経ち、世界情勢が再びきな臭さを増している今だからこそ。 この作品が放つメッセージは、恐ろしいほどのリアリティを持って、私たちの喉元に刃を突きつけてきます。
今回は、全43巻という大河ドラマ級の巨編『ジパング』について、ネタバレを極力抑えつつ、その
「鳥肌が立つほどの面白さ」と「現代人が読むべき理由」を徹底解説します。
この記事を読むとわかること
- 『ジパング』が単なるSF戦記ではない理由
- 主人公・角松とライバル・草加の「思想」の違い
- なぜ今、この漫画が大人に刺さるのか
『ジパング』とは?イージス艦×太平洋戦争の衝撃

まずは、この作品がいかに「伝説級」であるか、基本データをご紹介します。
| ジパング | 作品データ |
|---|---|
| 作者 | かわぐちかいじ(代表作:『沈黙の艦隊』『空母いぶき』) |
| 連載 | 講談社『モーニング』(2000年〜2009年) |
| 実績 | 第26回講談社漫画賞受賞、累計発行部数1500万部以上 |
| メディア展開 | 2004年にTBS系でアニメ化。 |
| 注意 | アニメ版は全26話で、原作のマリアナ海戦直前(満州編序盤) で終了しています。結末まで描かれているのは原作漫画のみです。 |
あらすじ:運命のミッドウェー海戦へ
物語は、西暦200X年の海上自衛隊イージス護衛艦「みらい」が、南米への航海演習中に謎の暴風雨に遭遇するところから始まります。 嵐が去った後、彼らの目の前に広がっていたのは、1942年6月――運命のミッドウェー海戦へと向かう、戦艦「大和」を中心とした連合艦隊の姿でした。
レーダーもGPSもない時代に、数百キロ先の敵を捕捉し、ボタン一つで航空機を撃ち落とす
「みらい」。 しかし、彼らには補給がありません。ミサイル一発、弾丸一発が、二度と手に入らない
貴重な資産です。
「我々は歴史に介入すべきか、傍観すべきか」
極限状態の中で突きつけられる選択。それが『ジパング』の開幕です。
圧倒的考証!かわぐちかいじが描く「兵器」のリアリティ
かわぐちかいじ作品の真骨頂は、何と言ってもその緻密な軍事考証と描写力です。
- イージス艦「みらい」: 無機質で冷徹なシステム艦として描かれます。CIC(戦闘指揮所)のモニターに映る電子の光と、外の世界の生々しい爆炎の対比が、恐怖を煽ります。
- 戦艦「大和」: 巨大な鉄の塊。黒煙を上げ、主砲を轟かせるその姿は、まさに「魔物」。
最新鋭のスマートなイージス艦と、武骨な巨大戦艦が並走するビジュアル。 この絵を見るだけで、ミリオタならずとも心拍数が跳ね上がるはずです。
なぜ「みらい」は戦艦大和と戦うことになったのか?
本来、同じ日本人同士であるはずの「みらい」と旧帝国海軍。 しかし、物語は彼らを協力関係のままにはしておきません。
「未来を知る者」と「過去を生きる者」。 守りたいもの(日本の存続)は同じはずなのに、その「手段」と「目指すべき国家像」の違いが、やがて両者を決定的な対立へと導きます。
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【徹底比較】二人の主人公が示す「相容れない正義」

『ジパング』を最高傑作たらしめているのは、戦闘シーンではありません。
主人公である「みらい」副長・角松洋介と、彼に救助された帝国海軍の天才・草加拓海。
この二人の男の、「魂の殺し合い」です。
二人が目指すものは何なのか? わかりやすく比較表にまとめました。
| 項目 | 角松 洋介(主人公) | 草加 拓海(ライバル) |
| 所属 | 海上自衛隊・二等海佐 | 帝国海軍・少佐 |
| 性格 | 正義感が強く、実直な理想家 | 冷徹で合理的、稀代の策士 |
| 最優先 | 「人命救助」と「史実の維持」 | 「日本の救済」(敗戦の回避) |
| 歴史観 | 歴史を変えてはならない | 歴史は創り変えるもの |
| 武器 | イージス艦「みらい」の武力 | 「未来の歴史」という情報 |
現代の倫理を貫く男・角松洋介
角松は、私たち現代日本人の象徴です。
「人は殺さない」「専守防衛」という自衛隊の精神を、戦時下でも貫こうとします。
しかし、その理想は、殺し合いが日常である1942年では「甘え」として容赦なく踏みにじられます。仲間を守るために引き金を引くのか? 彼の苦悩は、そのまま読者の苦悩となります。
国を救うために修羅となる男・草加拓海
一方、角松に救助され、資料館のデータベースで「日本の無条件降伏」を知ってしまったエリート
将校・草加拓海。
彼は絶望するどころか、不敵に笑うのです。
「未来を知っている。これほど強力な武器はない」
彼は「みらい」を降り、たった一人で歴史の改変に乗り出します。
東條英機、山本五十六、満州国皇帝、果てはヒトラーまで……。
歴史上の巨人を手玉に取り、日本が負けない(より良い形で講和し、強い国を作る)ための新しい
世界=「ジパング」を創ろうと画策します。
悪役? いいえ、彼もまた、狂おしいほどに国を愛する愛国者なのです。
「平和ボケした現代の正義」は、「生き残るための戦時の論理」に勝てるのか?
あまりに強大で、あまりに魅力的な草加拓海という男を前に、読者は何度も「草加の言うことの方が正しいのではないか?」と心が揺さぶられるはずです。
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【魅力深掘り】ここが凄い!読者が震えた「3つの神演出」

ネタバレは避けますが、全43巻の中で特に「ここは読んでほしい!」というポイントを3つ
紹介します。
1. 補給なし!「撃てない」イージス艦の極限サバイバル
「みらい」は無敵ですが、ミサイルの数には限りがあります。工場もありません。 トマホーク一発、砲弾一発が、彼らの生命線です。
敵は物量で押し寄せる米軍。 弾を節約したい、でも撃たなければ沈む。 この「リソース管理のヒリヒリするような緊張感」は、他の戦記漫画では味わえません。
2. 歴史の「修正力」とは?
物語の重要なキーワードが「歴史の修正力」です。 角松たちが必死に小さな命を救っても、草加が歴史を大きく変えようとしても、歴史は大きな流れ(史実)に戻ろうとする不思議な力が働きます。
「あいつはここで死ぬ運命だったのか?」 運命に抗う人間の意志と、無情な歴史の流れ。このSF的なテーマが、物語に哲学的な深みを与えています。
3. 政治と外交の駆け引きが「戦闘」よりも熱い
『ジパング』の戦場は海の上だけではありません。 草加拓海による外交戦こそが、本作の白眉です。
「原子爆弾」というカードをちらつかせ、大国の指導者たちを脅迫し、交渉のテーブルにつかせる。 アクションシーンがなくても、会話劇だけで鳥肌が立つ。「言葉による戦争」の面白さをぜひ体感してください。
【Q&A】『ジパング』を読む前のよくある疑問
40巻を超える長編となると、読み始めるのに勇気が要りますよね。よくある疑問にお答えします。
まとめ:今の時代だからこそ、電子書籍で一気読みしてほしい

私たちの生きる現代は、平和です。 しかし、ニュースを見れば、ミサイル、防衛費、領土問題……「有事」という言葉が現実味を帯びて語られています。
作中、「みらい」の乗組員たちは極限状態で問いかけられます。 「お前たちは何のために戦う? 何を守るために引き金を引く?」
これは、漫画の中だけの話でしょうか。 何も考えずに享受している「平和」が、いかに脆く、そして重い代償の上に成り立っているか。 『ジパング』を読むことは、これからの時代を生きる私たちにとって、一種の「ワクチン」のような役割を果たすかもしれません。
「歴史の修正力」という見えざる神の手。 それに抗い、傷つきながらも「みらい」の乗員たちが選び取った結末とは――。
物理的な本で揃えるのも一興ですが、43巻分の場所を取らず、今すぐ続きが読みたくなる中毒性が高いため、電子書籍での「大人買い」を強くおすすめします。
ただし、一つだけ忠告を。 「明日の朝が早い日は、読み始めないでください」 一度航海に出たら、もう元の日常には戻れませんから。
『ジパング』は全43巻。普通に揃えるとかなり勇気がいる金額ですが、電子書籍サービスの『初回特典』をフル活用すれば、実質半額以下で揃えることも可能です。7社の初回特典をまとめました。
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